しじみのアミノ酸スコアは高いのか?(しじみのアミノ酸スコア)

しじみのアミノ酸スコアは?

よくダイエットの専門誌などで、「大豆のたんぱく質はアミノ酸スコアが100なので、体にいい」といった謳い文句を目にしたことはありませんか?
大豆はたんぱく質が豊富な食品で、体作りの健康食品であるプロテインにも用いられています。
しじみもまた、たんぱく質が豊富な食品なので、しじみのアミノ酸スコアもあるはずです。
ところで、このアミノ酸スコアとはいったいどのようなもので、どのように算出されるのでしょうか?
今回は、しじみのアミノ酸スコアについてお話します。

アミノ酸スコアとは何を表すのか

アミノ酸スコアとは、食品が含有する必須アミノ酸の含有率を評価するための数値です。
必須アミノ酸は、私たちの体を構成するたんぱく質を合成する際に必要なアミノ酸で、体内で合成することができないため、食品から摂取する必要があります。
必須アミノ酸は9種類あり、その1つでも量が少ないと、体の組織を十分に作ることができません。
動物や植物はたんぱく質でできています しかし、たんぱく質を構成するアミノ酸の分量や種類はそれぞれ異なります。
そのため、アミノ酸スコアでどれだけの比率で必須アミノ酸が含有されているかを評価することで、どの食品からたんぱく質を補うのがより有益かを比べることができます。

アミノ酸スコアの計算法

アミノ酸スコアは、たんぱく質を構成する窒素1gあたりに、各必須アミノ酸がどれくらい含有されているかを見ます。
窒素1gというと漠然としてよく分からないかもしれませんが、たんぱく質は必ず分子に窒素を含んでおり、これをたんぱく質の量に直すと約6.25gに相当します。
つまり、たんぱく質6.25gの中に、どれだけ必須アミノ酸が含まれているかと言った方が分かりやすいでしょう。
FAO(国際連合食糧農業機関)およびWHO(世界保健機関)が1985年に提示した、各アミノ酸の基準値は以下の通りです。
必須アミノ酸

1985年基準値

バリン

220mg

ロイシン

410mg

イソロイシン

180mg

トリプトファン

70mg

リジン

360mg

含硫アミノ酸※1

160mg

芳香族アミノ酸※2

390mg

トレオニン

210mg

ヒスチジン

120mg

この基準値を基に、食品に含まれる各必須アミノ酸の量が基準値を上回っているかどうかを評価します。
全て上回れば、アミノ酸スコアは満点の100です。
しかし、1つでも下回った場合、その基準値の中から最も低い数値のアミノ酸(第一制限アミノ酸)の数値を評価することとなります。

※1 含硫アミノ酸:必須アミノ酸のメチオニンと、非必須アミノ酸のシステインを合わせた数値

※2 芳香族アミノ酸:必須アミノ酸のフェニルアラニンと、非必須アミノ酸のチロシンを合わせた数値
例えば、ある食品でバリンが200mg、ロイシンが300gしかなかった場合、バリンの評価は90.9、イソロイシンの評価は73.2になります。
アミノ酸スコアの評価は、最も低い数値を評価するので、この食品のアミノ酸スコアは73.2になります。

しじみのアミノ酸スコア

2015年版文部科学省の「日本食品標準成分表(七訂) アミノ酸成分表」を参考に、しじみのアミノ酸スコアを見てみましょう。
必須アミノ酸 しじみ 1985年基準値 各スコア
バリン

300mg

220mg

136.4

ロイシン

380mg

410mg

92.7

イソロイシン

240mg

180mg

133.3

トリプトファン

81mg

70mg

115.7

リジン

230mg

160mg

122.2

含硫黄アミノ酸

300mg

220mg

143.8

芳香族アミノ酸

460mg

390mg

117.9

トレオニン

340mg

210mg

161.9

ヒスチジン

140mg

120mg

116.7

表をみれば分かるように、しじみはロイシン以外のアミノ酸は非常に高い数値を示しています。
しかしながら、ロイシンだけは基準値を満たしていません。
つまり、しじみのアミノ酸スコアは92.7となります。

大豆や牛乳など、たんぱく源として活躍する食品がアミノ酸スコア100なので、しじみのアミノ酸スコアが92.7というのは少し残念な気がします。
しかし、表を見れば分かるように、他の数値は全て100を大幅に上回るので、しじみが非常に良質なたんぱく質であることは間違いありません。

牛乳は薄めてもアミノ酸スコア100?

アミノ酸スコアとは、その食品の窒素1gあたりの必須アミノ酸の構成を比較した表に過ぎません。
そのため、牛乳を水で100倍に薄めたとしても、アミノ酸スコアは100です。
また、大豆を1粒だけ摂取したとしても、大豆のアミノ酸スコアは100です。
つまり、あくまで窒素1gあたりの構成比を示すものであって、食品に含まれているアミノ酸の量そのものを示す数値ではありません。
実際に食物として摂取する場合は、可食部100gあたりにどれだけ必須アミノ酸が含まれているかを見た方が、体作りに有効かが分かります。

しじみの必須アミノ酸と1日に必要な摂取量

必須アミノ酸は体内で合成できないので、食物で摂取しなければなりません。
では、実際必須アミノ酸を1日にどれだけ摂取すればよいのでしょうか?
また、しじみ可食部100gで1日に必要な摂取量を、どれだけ賄うことができるのでしょうか?
下の表は、しじみ可食部100gあたりに含有する必須アミノ酸と、2007年にFAOおよびWHOが体重60kgの人が1日に必要な必須アミノ酸の推奨摂取量を表したものです。
必須アミノ酸 しじみ WTO推奨摂取量(60kg) 比率
バリン

300mg

1,560mg

19.2%

ロイシン

380mg

2,340mg

16.2%

イソロイシン

250mg

1,200mg

20.8%

トリプトファン

75mg

240mg

31.3%

リジン

400mg

1,800mg

22.2%

メチオニン

150mg

624mg

24.0%

フェルアラニン(+チロシン)

410mg

1,500mg

27.3%

トレオニン

310mg

900mg

34.4%

ヒスチジン

120mg

600mg

20.0%

しじみは可食部100gで、体重60kgの人が1日に必要な各種必須アミノ酸を平均で24%近く摂取できます。

たんぱく質は、しじみだけで摂取すればいいものではありません。
しじみ可食部100gだけでも、1日に必要な必須アミノ酸の約1/4を摂取できるので、他の食材と組み合わせることで、よりよい体作りができます。

まとめ

食物に含まれているアミノ酸を評価するアミノ酸スコアは、窒素1gあたりに含まれる必須アミノ酸の量を、基準値を基に数値化したものです。
基準値を上回れば、アミノ酸スコアは100で、どれか1つでも下回れば最低の数値がアミノ酸スコアとして算出されます。
しじみのアミノ酸スコアは、必須アミノ酸のロイシンだけが基準値を下回るので92.7です。
しかし、他の必須アミノ酸は基準値を大幅に上回るので、しじみのたんぱく質が優秀なのは間違いありません。
アミノ酸スコアはあくまで含有比率を数値化し評価したものなので、食物に含まれる含有量を表すものではありません。
しじみは可食部100gあたりで換算した場合には、必須アミノ酸をバランスよく、しかも非常に多く含有する食品なので、毎日の健康な体作りに役立ちます。
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