しじみと血糖値

シジミが血糖値を下げる

血糖値というと思い出すのは糖尿病。
糖尿病は血糖値が高いままの状態が続き、そのまま放置すると失明や腎臓病、末梢神経障害など様々な合併症が生じ、免疫力も低下するので細菌性の病気にも掛かりやすくなります。
糖尿病の治療薬としてインスリンが知られていますが、そもそもインスリンは体内で生産されるホルモンです。
実はしじみが含有する栄養素には、このインスリンの作用を助ける成分が多く存在しています。
今回はしじみと血糖値の関係をお話します。

血糖値とは

血糖値とは血液の中にどれだけブドウ糖(グルコース)を含有しているかを表す数値です。
健康な人の場合、食事をする前の血糖値は70~100mg/dlの範囲ですが、食事で糖質を摂ると腸内でブドウ糖として吸収され血管内に取り込まれ、血糖値が上昇します。
ブドウ糖は細胞に取り込まれなければエネルギーに変換されないばかりか、血糖値が高いままだと血液が糖分でドロドロになり、血管を詰まらせ動脈硬化や腎不全を引き起こします。
そこで速やかにブドウ糖を細胞内に取り込み、血糖値を正常値に戻すホルモンがインスリンです。

インスリン

インスリンはすい臓にあるランゲルハンス島で生産されます。
食事で血糖値が上昇すると速やかにインスリンが分泌され、各細胞にブドウ糖を取り込むように促します。
各細胞膜にはインスリン受容体が有り、インスリンに反応してブドウ糖を取り込みます。
逆にインスリンが無いと受容体も反応しないため、細胞はブドウ糖を取り込まず、結果としていつまでも血液中にブドウ糖が存在し、高血糖の状態が続きます。

糖尿病

糖尿病とは何らかの原因でインスリンの分泌が行われない、或いは少ない状態を言います。
自己免疫疾患によりインスリンがほとんど分泌されない状態を糖尿病1型、生活習慣が要因でインスリンの分泌量が少ない状態を糖尿病2型と区別し、日本人で圧倒的に多いのは2型です。
2型であれば生活習慣や食事の栄養面を見直すことで、糖尿病やそれに伴うリスクを回避できます。

血糖値を下げる

血糖値を下げるホルモンは唯一インスリンしかありません。
インスリンが分泌されない要因は睡眠不足、ストレス、運動不足、酒やタバコなど様々です。
しかし生活習慣もさることながら、栄養面も見直すことで血糖値を下げるために必要な
インスリン受容体の感度を高める
インスリンの分泌を促す
インスリンの合成量を増やす
と3つの効果が得られます。

しじみとインスリン

しじみにはインスリン受容体の感度を高めたり、インスリンを合成し分泌を増したりする栄養素をそれぞれ含有しています。
しじみにはそれぞれどのような栄養素があるのか詳しく説明します。

カルシウム

カルシウムとビタミンDを同時に摂取するとインスリン受容体の感度を高める効果があります。
血糖値が高い状態が習慣づくと、すい臓でインスリンが十分に分泌されていても、インスリン受容体がその状態に慣れて機能しなくなり、これをインスリン抵抗性といいます。
インスリン受容体が機能しないとブドウ糖は細胞に取り込まず、高血糖の状態が続き糖尿病のリスクが高まります。

厚生労働省の研究ではカルシウムとビタミンDを同時に投与すると、このインスリン抵抗性が改善することが確認されています。
カルシウムは骨を作るだけではなく、細胞の情報伝達を制御する役目もあり、活性型ビタミンDはカルシウム濃度を上げ活性化させる力があります。
しじみは体に吸収されやすい炭酸カルシウム主体のカルシウムを豊富に含有しています。
しじみと一緒にビタミンDが豊富なきのこ類や魚類を摂取するとインスリン抵抗性の改善に繋がります。

ロイシン

ロイシンは人の筋肉を作る必須アミノ酸の一つですが、すい臓に働きかけインスリンの分泌を促進する効果もあります。
筋肉を作るにはたんぱく質以外に、生成に必要なエネルギーの確保が必要です。
ロイシンはすい臓に働きかけインスリンの分泌を促すことで、血中のブドウ糖を筋肉の細胞内に取り込みます。
ロイシンが不足するとインスリンの分泌量も少なくなります。
しじみには可食部100gあたり380mgのロイシンが含有され、これは成人一人当たり一日に必要な接摂取量の19%に相当します。

亜鉛

インスリンはすい臓で作られるホルモンですが、すい臓はインスリン以外にも様々なホルモンや酵素、分泌液を作り、その合成には様々なミネラルが関わっています。
血糖値が上がると血液中の糖分を薄めるため大量の水分を補給し、その結果頻尿になり、すい臓に必要なミネラルも一緒に大量流失してしまいます。
特に糖尿病の患者では亜鉛、セレン(銅)、マグネシウムなどのミネラルが健常者に比べ不足します。

その中でも亜鉛は300もの酵素の生成や細胞の分裂を促進する必須ミネラルで、不足するとホルモンバランスが崩れます。
またセレンは甲状腺ホルモンの分泌に関りが深いミネラルで、全身にある細胞は甲状腺ホルモンを受容することで細胞分裂に必要なRNAの転写を行います。
しじみには可食部100g当たり亜鉛を2.1mg、また尿と共に流失するセレンを0.42mg含有し、それぞれ成人一人当たり一日に必要な摂取量の30%、70%と非常に豊富です。

まとめ

現代型の食生活では血糖値が高い状態が続くことがあり、それが慢性化すると血糖値を下げるインスリンに抵抗性が生じたり、インスリンの分泌量が減ったりし、結果的に糖尿病を引き起こします。
しじみにはインスリン抵抗性改善に一役買うカルシウム、インスリンの分泌を促すロイシン、またインスリンの生成に必要な亜鉛や膵臓の細胞分裂に必要なセレンを多く含有します。
普段の食生活を見直し、いつもの食卓にしじみを上手に取り入れることで血糖値の改善に役立ちます。
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