しじみを料理する際の注意点(しじみを調理する時のポイント)

しじみを料理する際の注意点は?

出汁も身も美味しく、一年中安定した価格で市場に出回るしじみは、家計にも優しい主婦の味方。
みそ汁やしぐれ煮、炊き込みご飯やバター炒めなど様々な料理に活用できます。
一方で、しじみはオルニチンやビタミンB群をはじめとした栄養豊富な食品です。
しじみを調理する際の注意点知ると、しじみをさらに美味しく、しかも栄養素も無駄なく摂取できるようになります。
今回は、しじみを美味しく調理する際の注意点についてお話します。

砂抜きが必要

しじみは砂の中で生息しているため、体の中に砂を溜め込んでいます。
そのため、砂抜きが必要です。
砂抜きをしないと、身を食べた時にジャリっと砂が当たり、食感が悪いばかりではなく、歯も傷つけてしまいます。

まず、水でしじみの表面をよく洗った後、平たいバットに貝同士が重ならないように並べます。
貝同士が重なると、下になった貝が砂を吸ってしまいます。
並べ終わったら、1%の食塩水で貝がひたひたになる程度に浸します。
その後3~4時間、できれば6時間程度安置します。
しじみはストレスがかかると身に危険を感じ、蓋を閉じて砂を吐きだしません。
できれば、薄暗く静かなところに置くのがベストです。
そうすることで、しじみは安心して砂を吐き出します。

冷凍保存で旨味とオルニチンが増加

砂抜きしたしじみは、一度-4℃で冷凍保存するのがおすすめです。
冷凍保存すると、しじみは冬眠状態に入るため、自らの身のたんぱく質を分解してエネルギーに変えようとします。
この時、旨味成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸が生じるので、調理した時のコクが増します。

また、青森県産業技術センターの研究では、-4℃で冷凍保存すると、疲労回復効果を発揮するしじみのオルニチンの含有量が、約8倍に増えることが判明しています。
この研究調査では、-4℃以上ではほとんどオルニチンは増えず、-4℃で一気に8倍に増え、それ以下では徐々にオルニチンの増加効率が低下します。
つまり、しじみのオルニチンと旨味の増加は、-4℃での冷凍保存がポイントです。
冷凍しても、しじみは1か月くらい保存が可能です。
まとめて砂抜きをし、小分けにして冷凍保存すれば調理の手間も省けます。

しじみは加熱調理が必要

しじみは生で食べられないわけではありませんが、加熱調理をした方が賢明です。
しじみを加熱調理するのは
食中毒の危険性
ビタミンB1吸収の阻害
という、2つの大きな理由があるからです。
それぞれ、どのような危険があるのか詳しくお話します。

しじみの食中毒の危険性

しじみをはじめとした二枚貝には、食中毒の原因となるノロウィルスが潜んでいる可能性があります。
ノロウィルスは二枚貝の消化管の中に潜んでいるため、見た目だけではノロウィルスが感染しているかは判断できません。
ノロウィルスは酸やアルカリ、お酒などのアルコールでも死にません。
そのため、ノロウィルスに感染したしじみを生で食べると、胃酸でノロウィルスは死なず、そのまま腸に到達して感染します。
人がノロウィルスに感染すると、激しい嘔吐や下痢、腹痛、38℃以上の発熱を発生し、これが1~2日も続きます。

しかし、ノロウィルスをはじめとしたウィルスや細菌は、たんぱく質でできています。
たんぱく質は熱で変性※1するため、加熱調理することでウィルスや細菌を殺すことができます。
※1 変性とはものの持つ性質が変わること。

しじみの酵素がビタミンB1の吸収を阻害

しじみは、糖質のエネルギー代謝に補酵素として働くビタミンB1を分解するチアミナーゼという酵素を含有しています。
しじみ自体はビタミンB1をほとんど含有していません。
しかし、しじみを生で食した場合、一緒に食べた他の食品に含まれるビタミンB1を体内で分解してしまいます 食品でビタミンB1を補給しないと、糖質をエネルギーにすることができなくなるので、疲労の回復ができなくなります。
また、脳や神経細胞は糖質をエネルギー源とするため、ビタミンB1が不足すると脳や神経細胞の機能が麻痺し、古くは脚気と呼ばれた末梢神経障害や意識障害を引き起こします。

チアミナーゼをはじめとした酵素もまた、たんぱく質でできています。
チアミナーゼは、熱でたんぱく質が変性し、失活※2します。
このように健康のことを考えれば、しじみは加熱調理が必要です。

※2 失活は化学反応を起こす物質の活性が失われ、その機能を喪失すること。

加熱の仕方で料理も変わる

しじみを料理に使う場合、彩などを考えて殻付きにするか、殻無しにするか判断します。
みそ汁など殻付きにする場合は、水に漬けた状態でゆっくり加熱してゆくと殻に身が付いたままで仕上がります。
しぐれ煮など身だけを使用する場合は、熱湯から調理すると殻から身をはがしやすくなります。

出汁はビタミンB群の宝庫

しじみはビタミンB12をはじめとした、ビタミンB群が豊富な食品です。
ビタミンB群は糖質、脂質、たんぱく質などの栄養素を代謝する際に補酵素として作用する、体に必要不可欠な成分です。
ビタミンB群は、総じて熱や酸、アルカリなどに強い性質を持っています。
しかし、水溶性ビタミンなので水に溶けやすく、調理で水を使うと、そのまま食材の外の水に溶け出してしまいます。
みそ汁のように、汁ごと食べる調理法か、炊き込みご飯やしぐれ煮のように出汁を食材に吸い込ませる調理法だと、流失したビタミンB群を無駄なく利用できます。

まとめ

しじみは砂抜きが必要なため、調理が多少面倒な食品です。
しかし、まとめて砂抜きをし、小分けにして冷凍保存すれば1か月は保存が可能なので下ごしらえの手間が省けます。
また、しじみは-4℃で保存するとオルニチンが8倍に増量し、旨味成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸も増えます。
一方、しじみはノロウィルスなどによる食中毒の防止や、ビタミンB1を分解するしじみの酵素を失活させるために加熱調理の必要があります。
また、しじみに豊富なビタミンB1は水溶性なので、しじみの栄養を無駄なく摂るためには出汁を有効活用した調理法がおすすめです。
しじみの調理は下ごしらえが大変ですが、調理のコツを知ることで美味しく、しかも栄養を余すところなく摂取できます。
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