しじみとグリコーゲンの関係(しじみに含まれるグリコーゲン)

しじみとグリコーゲンで疲労回復

しじみは疲労回復に効果があることで知られていますが、その疲労回復と関わりが深いのがグリコーゲンです。
一般的にあまり聞きなれない栄養素ですが、貝類やレバーに多く含有されており、人体で重要な役割を果たす成分です。
ちまたではしじみもグリコーゲンが多い食品と紹介されていますが、しじみとグリコーゲンはどのような関係があるのでしょうか?
今回はしじみに含まれるグリコーゲンについてお話します。

グリコーゲンとは

グリコーゲンは単糖類であるグルコース(ブドウ糖)が連なった重合体で、糖原質と呼ばれます。
グリコーゲンは動物の体内で合成されるため動物デンプンとも呼ばれます。

グリコーゲンの役割

グリコーゲンの主な役割は(1)エネルギーの貯蔵と生産、(2)血糖値の調整です。

エネルギーの貯蔵と生産

グリコーゲンは摂取した糖分を動物の生体内でエネルギーとして貯蔵するために生産されます。
体内で生産されたグリコーゲンは主に肝臓や骨格筋などに蓄えられ、肝臓の場合は肝臓の重量の8%程度、骨格筋の場合はその重量の1~2%程度蓄えることが可能です。
同じ貯蔵エネルギーである脂肪と異なり、グリコーゲンは簡単にエネルギーに代謝できます。
そのため激しい運動などで血中のグルコースをエネルギーとして消費してしまった後は、肝臓や骨格筋に蓄えられていたグリコーゲンを放出し酵素で分解してエネルギーに代謝します。

血糖値の調整

腸でブドウ糖が吸収されると血糖値が上がり、血糖値を下げるためにインスリンが分泌されます。
インスリンはグリコーゲン合成酵素を活性化し、血液中のグルコースをグリコーゲンに合成して肝臓や骨格筋に吸収させることで血糖値を下げます。
逆に血糖値が低下すると、肝臓に蓄えていたグリコーゲンをグルコースに分解して血糖値を調整します。

グリコーゲンの合成と分解

グリコーゲンの合成は、インスリンが分泌するグリコーゲン合成酵素の作用により骨格筋と肝臓で行われます。
この時、グルコースはリン酸基と結び付いてグリコーゲンになります。

グリコーゲンの分解は、運動時に分泌されるアドレナリンや血糖値が下がることで分泌されるグルカゴンによって発動し、グルコースに分解されてエネルギーに代謝されます。
骨格筋で合成されたグリコーゲンは、骨格筋内にリン酸基を外す酵素が無いため筋肉の運動以外に使用できません。
一方、肝臓で合成されたグリコーゲンは、肝臓内にリン酸基を外すグルコース-6-ホスファターゼという酵素を持つため、他の臓器で使用可能なグルコースに分解され、血液を通じて各臓器に送り届けられます。

また肝臓は自身の重量の8%程度、重量にして約100gをグリコーゲンとして貯蔵できますが、これ以上のグルコースが肝臓に吸収されると中性脂肪に代謝され肝臓内に貯蔵されてしまいます これが糖質の摂り過ぎによる脂肪肝の原因です。

しじみのグリコーゲン

しじみの身は筋組織で構成されているので、エネルギー源として糖質のグルコースが蓄えられています。
一般的に貝類はグリコーゲンが豊富と言われていますが、可食部100gあたりに含まれるしじみの糖質は4.3g、カロリーにして15kcal程度しかありません。
しじみは疲労回復に効果のある食品ですが、しじみが含有するグリコーゲンをエネルギーにして疲労回復ができるわけではありません。

しじみの栄養素とグリコーゲンの関係

しじみが含有する栄養素を利用すれば、体内に蓄えられたグリコーゲンを代謝してエネルギーに変換して疲労回復に効果を発揮します。
グリコーゲンと関わりの深いしじみの栄養素は以下のとおりです。
(1)オルニチン
(2)ビタミンB2

オルニチン

肝臓はグリコーゲンの代謝以外にも様々な役割があるので、肝臓の機能が低下するとグリコーゲンの代謝も低下し、効率的にエネルギーに変換することができません。
また過剰な糖分の摂り過ぎは、脂肪肝の原因にもなります。

肝臓は体内で発生した有害なアンモニアを集め無毒な尿素に代謝する役割があります。
しかし、加齢などで肝臓の機能が衰えアンモニアの処理能力が限界を超えると、エネルギー代謝が損なわれ、これが疲労の原因となります。
オルニチンは肝臓でアンモニアを処理する尿素回路を活性化させる作用があります。
また、肝臓にアンモニアが増えすぎると肝臓にエネルギーを供給するミトコンドリアの活動も低下するので、オルニチンを補給することでミトコンドリアのエネルギー生産が活性化し、肝臓の機能も改善します。

オルニチンで肝臓が活性化すると、肝臓で蓄えられたグリコーゲンの分解が促進され、疲れた各器官にエネルギーとなるグルコースを供給できるため、疲労回復が早まります。

ビタミンB2

一般的に糖質をもっとも効率的に代謝する役割を担うのはビタミンB1ですが、しじみはビタミンB1をほんのわずかしか含有しません。
一方で糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素の代謝に必要なビタミンB2は豊富に含有しているので、糖質であるグリコーゲンを分解した後にエネルギーに代謝することが可能で、疲労回復が促されます。
また、ビタミンB2は脂肪の代謝も行うので、過剰な糖質摂取により肝臓に蓄えられた中性脂肪を、運動などと併用することでエネルギーに代謝して減らすことができます。

まとめ

貝類やレバーに多く疲労回復に効果があるグリコーゲンはグルコースがリン酸基で連なった糖質で、エネルギーの貯蔵と生産、血糖値の調整に使用されます。
グルコースの生産と貯蔵は主に骨格筋と肝臓で行われ、骨格筋は運動時に、肝臓は血糖値の調整にグルコースが使用されます。
貝類であるしじみはグルコースを含有しますがごく僅かで、むしろしじみに多く含有するオルニチンやビタミンB2がグルコースをエネルギーに代謝する作用があり、疲労回復に繋がります。
肝臓に蓄えられるグルコースの許容量をオーバーした糖質の摂取は、脂肪肝の原因となるので、毎日摂れるしじみのみそ汁などを利用することで、体内のグルコースを効率よくエネルギーに変え、疲労回復と脂肪肝の予防が可能です。
人気記事-popular column-