しじみのみそ汁は身までしっかり食べる(汁だけでなくしじみの身も食べるメリット)

出汁を取ったしじみの身は出涸らしではない

定食の汁物として定番のしじみ。
出汁が効いて美味しいことこの上ないのですが、身が小さく食べにくいためそのまま残してしまう方も多いのではないでしょうか?
しかし、しじみは小さいながらも非常に栄養が豊富な食品で、実はその小さな身にこそ驚くほど豊富な栄養素が詰まっています。
今回は、出汁だけでなくしじみの身も食べることのメリットについてお話します。

しじみからとれる出汁

しじみの出汁が美味しい理由

しじみは煮干や鰹節と同じように、みそ汁や汁物の出汁になる食材です。
しじみは旨味成分である、グルタミン酸やアスパラギン酸が豊富です。
さらに、しじみは貝類に多い、コハク酸と呼ばれる旨味成分が含まれています。
グルタミン酸やアスパラギン酸がアミノ酸なのに対し、コハク酸は有機酸に属する旨味成分です。
旨味成分は多ければ多いほど、舌で感じる旨味が強くなるかというと、そうではありません。
旨味成分でも、アミノ酸と有機酸など、2つの異なる属性の旨味成分が合わさってこそ相乗効果を発揮し、舌で感じる旨味が飛躍的に高まるのです。
しじみは2つの異なる属性の旨味成分を持っているため、しじみの出汁は美味しく濃厚に感じるのです。

しじみの出汁の栄養素

グルタミン酸やアスパラギン酸は非必須アミノ酸で、体の組織を作るたんぱく質の一部になる成分です。
またコハク酸は、脂肪の分解を促進し、コレステロールを下げる効果があります。
それ以外に、しじみの出汁にはビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB群は水溶性ビタミンで、しじみの身に豊富に含有されている栄養素です。
ビタミンB群は、糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素の代謝に補酵素として関わる栄養素で、エネルギーの生産や体調維持に必要不可欠な栄養素です。
しじみの身から溶けでた出汁だけでも、これだけ栄養が豊富ですから、身にはこれ以上に栄養が含まれていることは容易に想像できるでしょう。

しじみの身に含まれる栄養素

しじみの出汁の栄養素は、水に溶けだす水溶性の成分です。
しかし、しじみの身には、水に溶け出ずに、しじみの身にそのまま残っている栄養素も非常に多いのです。
では、しじみの身にどのような栄養素が残っているのか、詳しくみてましょう。

しじみの身は高たんぱく質

しじみの身は低脂肪、高たんぱくの動物性たんぱく質です。
私たち人間の体もたんぱく質で出来ているので、体の組織を作るにはたんぱく質の摂取が必要です。
しかし、ただたんぱく質を摂ればよいというわけではありません。
私たちの体を構成するたんぱく質は9種類の必須アミノ酸と、11種類の非必須アミノ酸が必要で、特に体で合成できない必須アミノ酸の摂取が重要です。
必須アミノ酸は1つでも足りないと、体のたんぱく質を十分に作れません。
しじみは、この9種類の必須アミノ酸をバランスよく含有しています。

しじみの身はビタミンB群が豊富に残っている

水溶性ビタミンであるビタミンB群は、出汁を取ると水に溶け出してしまいます。
しかし、全てが出汁として水に溶けてしまうわけではありません。
身の中にも当然残っており、身まで食してようやくしじみのビタミンB群を余すことなく摂取できます。
しじみは、「神経のビタミン」と呼ばれるビタミンB12の含有量が飛び抜けて豊富で、みそ汁1杯だけで1日に必要な量のビタミンB12を摂取できます。
それ以外にも、脂肪燃焼に効果のあるビタミンB2や、三大栄養素の代謝に必要なビタミンB6、ナイアシンなどが豊富です。

しじみの身にはビタミンEがある

ビタミンB群は水溶性ビタミンですが、ビタミン類には水に溶けない脂溶性ビタミンも存在します。
しじみは抗酸化物質として作用する、脂溶性ビタミンのビタミンEが豊富です。
しじみは可食部100gあたりビタミンEを1.6mg含有し、これは1日に必要な摂取基準の20%に相当します。
ビタミンEは悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの分泌を抑制し、脂肪燃焼を促進させる効果があります。
ビタミンEは脂質の多い食品に豊富ですが、しじみは脂肪がほとんどないにも関わらずビタミンEが豊富です。
しじみを身まで食べると、肥満の原因となる脂質をほとんど摂らずにビタミンEを摂取できます。

じじみの身は必須ミネラルが豊富

しじみは鉄、亜鉛、カルシウム、銅、マンガンなどの必須ミネラルが豊富です。
これらのミネラルは出汁には溶け出さないので、しじみの身を食べることで摂取できます。
特に、鉄は酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンに、亜鉛は細胞分裂に、カルシウムは骨の形成に必要不可欠です。
さらに鉄、亜鉛、カルシウムは体内への吸収率が悪く、日本人に不足しがちなミネラルです。
しじみは可食部100gあたり鉄を5.3mg、亜鉛を2.1mg、カルシウムを130mg含有し、それぞれ1日に必要な摂取量の70%、30%、18%に相当するほどの含有量を誇ります。

しじみの身は疲労回復栄養素のオルニチンが豊富

しじみの身にはさらに、オルニチンという遊離アミノ酸※1が存在します。
オルニチンは疲労の原因物質である、体内に発生する有毒なアンモニアを無毒化する際に必要不可欠な栄養素です。
アンモニアの無毒化は肝臓にある尿素回路で行われ、オルニチンはこの尿素回路を活性化する作用があります。

※1 遊離アミノ酸とはほかのアミノ酸と結合することなく、単独で体に作用さようするアミノ酸のこと。

オルニチンは体内で生産が可能ですが、加齢やストレスなどで肝臓の機能が衰えるとオルニチンの生産量が低下し、それとともに尿素回路の機能も低下します。
尿素回路の機能が低下すると、アンモニアの処理が間に合わなくなり、疲労が蓄積しやすい体質になります。
そのため、オルニチンを単独で摂取することで尿素回路が活性化し、アンモニアの処理も促進されます。
結果として、疲労が回復しやすくなります。
しじみのように、オルニチンを単独で豊富に含有する食品は多くありません。
小さくとも、しじみの身までしっかり摂取することで、オルニチンの疲労回復効果を実感できます。

まとめ

しじみは旨味成分となるアミノ酸のグルタミン酸とアスパラギン酸、有機酸のコハク酸を含んでいるため相乗効果で旨味が強くなり、出汁として最適な食材です。
しじみの出汁はこれらのアミノ酸の他に、水溶性のビタミンB群も溶け出しているので、それだけでも栄養が豊富ですが、しじみの身にもまだ豊富な栄養素が残っています。

しじみの身は低脂肪・高たんぱくな良質な食品で、カラダづくりに必要な9種類の必須アミノ酸をバランスよく含有しています。
また、しじみの身には水溶性ビタミンのビタミンB群が豊富に残留し、水に溶け出さない抗酸化物質のビタミンEや、鉄、亜鉛、カルシウムなど吸収率の悪い必須ミネラルも豊富です。
さらに、しじみの身は疲労回復効果を発揮するオルニチンが豊富です。
みそ汁の具のしじみの身は、出汁の出涸らしではありません。
小さいながらも体に必要な栄養素がいっぱい詰まっているので、しじみの身までしっかり食べることで健康効果がいっそう高まります。
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