しじみと筋肉

しじみで良質な筋肉を作る

筋肉というとムキムキのボディービルダーやスポーツ選手をイメージする方も多いでしょう。
しかし筋肉は私たちが日常生活を送る際に必要不可欠な体の組織であり、筋肉が衰えると体の調子に不具合が生じ、健康的な生活を送ることが困難になります。
食事で筋肉を付けようとすれば、まず思い出されるのがたんぱく質ですが、たんぱく質を多く摂取したからと言ってそれが即筋肉になるわけではありません。
新陳代謝で筋肉を作る際には他にも様々な栄養素が必要で、しじみは筋肉の合成を効率よくサポートする成分が豊富です。
今回はしじみと筋肉についてお話しします。

筋肉とは

筋肉は骨格を支え、収縮させることで運動や力を発生する組織です。
筋肉は主にたんぱく質で構成され、日々新陳代謝を繰り返しているので、筋肉を維持するためには食事でたんぱく質を補給する必要があります。
また筋肉は使わないと徐々に退化し減ってしまうので、筋肉の強化・維持には日ごろの運動も必要不可欠です。

筋肉はたんぱく質以外の栄養素も必要

新陳代謝で筋肉を作る際は、単にたんぱく質だけを摂っても筋肉にはならず、何もしなければたんぱく質はエネルギーとして消化されます。
筋肉を作るには適度な運動をして成長ホルモンを分泌させ、アミノ酸を筋肉に合成するように促す必要があります。
また筋肉の合成にはビタミンや各種ミネラルも重要な役割を果たします。

筋肉合成に必要なしじみの栄養素

しじみの身は筋肉に必要な良質なたんぱく質で、他にも筋肉の合成に必要不可欠なビタミンやミネラルを数多く含有します。
効率の良い筋肉の合成を行う栄養素は以下の成分です。
BCAA
オルニチン
アルギニン
ビタミンB6
カルシウム
マグネシウム
亜鉛
鉄分

BCAA

筋肉を作る際にはたんぱく質を分解してできるアミノ酸が必要不可欠ですが、アミノ酸は体内で合成できる非必須アミノ酸と、合成できない必須アミノ酸に分類されます。
筋肉を作る際には体で合成できない必須アミノ酸を食事で補う必要があり、特に筋肉の合成で必要になるのはBCAAと呼ばれる分岐鎖アミノ酸です。
BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸を指し、組織を構成するたんぱく質を作るために必要な20種類のアミノ酸中20%がこのBCAAです。

また運動をすれば単純に筋肉が肥大するわけではありません。
運動には膨大なエネルギーが必要で、体内の糖質を使い果たすと脂肪より先に筋肉のたんぱく質を代謝してエネルギーに変換します。
その際に真っ先に使われるのがBCAAで、運動前後にBCAAを補わないと逆に筋肉は減少してしまいます。

しじみ可食部100g当たりが含有するバリン、ロイシン、イソロイシンの量は以下の通りです。
BCAA 含有量 食事摂取基準値 含有量/基準値
バリン

300mg

1316mg

22.8%

ロイシン

380mg

1973mg

19.7%

イソロイシン

250mg

1012mg

24.7%

表を見れば分かるように、しじみはBCAAが非常に豊富な食品です。
またしじみの身は他の肉類に比べ脂質が少ないので、効率よくBCAAを摂取できます。
BCAAを上手に摂取することで運動による筋肉の減少を防ぎ、余ったBCAAが筋肉の細胞の合成に使われ筋肥大が実現します。

オルニチン

運動時に筋肉の分解を抑制し、運動によって生じた組織の修復やアミノ酸のたんぱく質合成を促す成長ホルモンの分泌が必要不可欠です。
しかし成長ホルモンは加齢によって分泌量が減少し、60歳を過ぎるとピークの30%程度まで低下します。
オルニチンは成長ホルモンの誘導体で、脳下垂体前葉に働きかけ成長ホルモンの分泌を促します。

アルギニン

アルギニンも成長ホルモンの分泌を促す条件付非必須アミノ酸です。
条件付非必須アミノ酸とは体内で合成可能ながら、ある一定の条件下だと必要性が増すアミノ酸を指します。
激しい運動をすると筋組織は人間の目には見えない断裂が至る所で発生し、アルギニンはその断裂の修復を担うアミノ酸なので、運動時に需要が増大します。
筋組織は断裂すると、その修復の際に若干過剰に細胞分裂が起こり、これを繰り返すことで筋肥大が起こり、基礎代謝が上がります。

しじみはアルギニンを可食部100g当たり320mg含有し、摂取標準基準値の4%ほどしかありませんが、オルニチンと一緒に摂取すると相乗効果で成長ホルモンの分泌量が増します。
ちなみにアルギニンが体内で酵素によって分解されるとオルニチンが発生します。

ビタミンB6

ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わりの深いビタミンです。
運動時は必要に応じて糖質や脂質、たんぱく質を代謝で分解しエネルギーに変え、運動後に消費したり損傷したりした筋組織のたんぱく質を、アミノ酸を代謝することで合成し補填します。
しじみは可食部100g当たり1mgのビタミンB6を含有し、これは成人が一日必要な摂取量の9%に相当します。

カルシウム

カルシウムは骨格を形成する以外に、各細胞内で正常にその機能を保つ役割を担います。
筋組織ではその収縮の際に重要な役割を果たしますが、筋肥大を目的とした運動時に汗と共に体外に排出されるので、体の調子を保つためにカルシウムの摂取が必要です。

しかしカルシウムは体内に吸収されにくいミネラルなので、運動後は積極的に補給する必要があります。
しじみは可食部100g当たり130gのカルシウムを含有し、しかも牛乳などのリン酸カルシウムと違い体内に吸収されやすい炭酸カルシウムが主体なので、効率よくカルシウムを摂取できます。

マグネシウム

マグネシウムは筋肉の細胞分裂に必要なミネラルで、カルシウムと共に筋肉の伸縮を担う成分です。
マグネシウムが不足すると筋肉が弛緩しなくなり、筋肉痛や筋肉痙縮を引き起こします。
また筋肉の質も硬くなるので、普段の運動でダメージが蓄積しやすくなります。

しじみは可食部100g当たり12mg含有し、一日に必要な摂取量の5%程度ですが、カルシウムと共に日本人には不足しがちなミネラルなので積極的に摂る必要があります。

亜鉛

亜鉛は筋肉の基となるたんぱく質の合成に不可欠な必須ミネラルで、筋肉の細胞に必要なDNAの複製にも深く関わっています。
亜鉛も日本人には不足しがちなミネラルで、しじみは可食部100g当たり2.1mgの亜鉛を豊富に含有し、これは成人が一日に必要な摂取量の30%に相当します。

鉄分

筋肉が赤いのは細胞内に鉄分を含有するミオグロビンがあるからです。
ミオグロビンは血液によって供給される酸素を細胞内に取り込む役割を担い、筋肉の収縮にも関わります。
鉄分が不足すると細胞に十分な酸素を供給できなくなるので筋力が低下し、疲労が蓄積しやすくなります。

しじみは可食部100g当たり5.3gの鉄分を含有し、これは成人男子が一日に必要な摂取量の70%に相当するほど豊富です。
またしじみの鉄分は動物性のヘム鉄なので、ほうれん草など植物性の非ヘム鉄比べ吸収されやすい鉄分です。

まとめ

一言で筋肉と言っても、その細胞の合成にはたんぱく質以外に様々な栄養素や体の仕組みが複雑に絡み合っています。
しじみには筋肉の細胞を構成するBCAAをはじめとした各種アミノ酸や必須ミネラル、また筋肉を作る際に必要な成長ホルモンの分泌を促進するオルニチンやアルギニンなどのアミノ酸、筋肉の代謝をサポートするビタミンB6などをバランスよく含有しています。
特に筋肉の合成を促す成長ホルモンは睡眠時と運動時に多く分泌されるので、運動前や夕食時にしじみを使った料理を食べることで成長ホルモンの分泌量が増え、効率よく筋肉を作ることができます。
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