しじみとエノキダケで健康増進(しじみとえのきの相性)

安価なしじみとエノキダケで健康実現

スーパーで年中比較的安く手に入り、鍋ものやみそ汁、和え物、炒め物と様々な料理の食材に重宝するエノキダケ。
年中見かけるエノキダケは工場で人工栽培されているので、見た目は細くて弱弱しいですが、実は見かけによらず栄養面でも人の健康にも様々な面で貢献します。
実は同じく年中安価に手に入るしじみとエノキダケを一緒に摂取すると、更なる相乗効果を発揮します。
今回はしじみエノキダケの相乗効果をお話しします。

エノキダケとは

スーパーなどで見かける人工栽培のエノキダケはもやしのように白く細い姿をしていますが、本来は野生に生息する立派なキノコです。
広葉樹の枯れ木や切り株などに寄生し、養分を吸い取り腐らす木材腐朽菌の一種です。
野生のエノキダケは普通のキノコと同じように丈は太く、大きく笠を広げ、色も黄褐色で、加熱すると粘りが出ます。
野生も人工栽培物も生で食すと溶血作用があるので必ず過熱する必要があります。

エノキダケの栄養素

一般のキノコ類と同じでカロリーが少なく、食物繊維が豊富で、ビタミンDを多く含有します。
それ以外にエノキダケで特質すべき栄養素は以下の通りです。
(1)オルニチン
(2)ビタミンB群
(3)エノキタケリノール酸
それぞれの栄養素について、しじみとの相乗効果を含め詳しく解説していきます。

オルニチン

オルニチンは二日酔いや疲労回復効果があり、特にしじみに多く含有されているということで注目を浴びている栄養素です。
実はオルニチンはしじみ以外に、キノコ類も比較的多く含有し、特にエノキダケが多く含有します。
同じ100gでオルニチンの含有量を比較した場合、殻付のしじみ100g(じじみ約35個分)で10.3~15.3mg、エノキダケは14mgとほぼ同程度の量を含有します。

オルニチンの効果

オルニチンは体内で発生する有毒なアンモニアを肝臓内で無毒な尿素に代謝する尿素回路で必要不可欠な栄養素です。
特にアルコールを摂取すると、その分解過程で毒性の強いアセトアルデヒドが肝臓内で大量に発生し、肝臓にエネルギーを与える肝細胞内のミトコンドリアの活動を阻害して肝機能を低下させます。
また同時にアルコールの代謝の過程で肝臓内にNADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が発生し、脳のエネルギーとして活用される糖やケトン体の生産が阻害され、これが二日酔いによる疲労感の原因となります。

オルニチンを摂取すると、血液を通じて体中から肝臓に集められるアンモニアの処理が高まるので肝臓のミトコンドリアを活性化させ、その分アルコールの分解も早まります。
またNADHもミトコンドリアのクエン酸回路で消費されるため二日酔いによる疲労感も軽減します。
さらにオルニチンは成長ホルモンの誘導体としても活躍するので、成長ホルモンの分泌量が増加し三大栄養素の代謝が促進され、疲労回復や脂肪燃焼などに効果を発揮します。

ビタミンB群

しじみとエノキダケは共にビタミンB群が豊富です。
それぞれ可食部100g当たりで含有するビタミンB群を見比べてみましょう。
しじみ エノキダケ 成人男子摂取基準
ビタミンB1

0.03mg

0.24mg

1mg

ビタミンB2

0.25mg

0.17mg

1.2mg

ナイアシン

1mg

6.8mg

11mg

ビタミンB5

0.38mg

1.4mg

5.5mg

ビタミンB6

0.09mg

0.12mg

1mg

ビタミンB7

-

10.6μg

45μg

葉酸

17μg

75μg

200μg

ビタミンB12

624μg

-

2μg

しじみはビタミンB12が非常に多く、他にもビタミンB2とB6を比較的多く含有します。
一方エノキダケはしじみにはそれほど多くないビタミンB1、ナイアシン、B5、葉酸、しじみは含有しないB7を多く含有し、しじみに多いビタミンB12を含有しません。

実はしじみとエノキダケを一緒に摂取し、それぞれ足りないビタミンB群を相互に補うことでしじみが含有する他の栄養素と反応して以下の効果を発揮します。
造血作用
代謝の促進

造血作用

しじみは体内で酸素を運ぶ赤血球の主要な成分ヘモグロビンの材料である鉄とたんぱく質を多く含有しますが、それ以外に合成の触媒としてビタミンB6、B12、葉酸、ビタミンCが必要不可欠です。
しじみはビタミンB12を多く含有しますが、葉酸とビタミンB6は余り多くありません。
一方でエノキダケは葉酸を多く含有し、ビタミンB6も補完してくれるので、しじみと一緒に摂取すると造血効果が高まります。

代謝の促進

ビタミンB群は糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素の代謝に補酵素として関わる栄養素で、不足するとそれぞれの代謝に関わる器官に影響が出て健康上不具合が発生します。
しじみとエノキダケを一緒に摂取すると、お互いに不足するビタミンB群を補えるので体内で満遍なく代謝を行えます。
各ビタミンB群の主要な役割は以下の通りです。
ビタミンB1 糖代謝に必要。
エネルギーを生産し疲労回復効果がある。
ビタミンB2 三大栄養素の代謝に必要不可欠。
主にたんぱく質の合成に関わる。
ナイアシン 三大栄養素の代謝に必要不可欠。
皮膚や粘膜を健康に保つ。
ビタミンB5(パントテン酸) 様々な酵素に働きかけ、三大栄養素の代謝を補助する。
ビタミンB6 肝臓で三大栄養素の代謝に関わる。神経伝達物質やヘモグロビンの合成に必要不可欠。
ビタミンB7(ビオチン) 三大栄養素を代謝し、炎症や筋肉痛、疲労感を緩和する。
葉酸 アミノ酸の代謝に関わり、細胞やDNAの生産を担う。
ビタミンB12 アミノ酸の代謝に関わり、神経細胞の修復や再生を担う。

エノキタケリノール酸

エノキタケリノール酸はつい最近発見されたエノキダケの細胞膜に存在する脂肪酸で、エノキダケ100g当たり800mg含有します。
しかし、エノキタケリノール酸はエノキダケの細胞壁内にあるので乾燥させたり、すり潰したりして細胞壁を壊さないと抽出できず効果を発揮しません。
エノキタケリノール酸はリノール酸、α-リノレン酸、ペンタデカン酸、パルチミン酸の4種類の脂肪酸で構成され、脂肪細胞や消化管、肝臓などにあるβ3アドレナリン受容体を活性化させ内臓脂肪を燃焼させる効果があります。

しじみとエノキタケリノール酸

しじみとエノキダケにはβ3アドレナリン受容体のある肝臓を活性化させ、脂肪の代謝を高める成長ホルモンの分泌を増やすオルニチンが豊富です。
またしじみもエノキダケも脂肪の代謝に必要なビタミンB群が豊富な上、しじみには肝臓の脂肪燃焼を助けるビタミンEも多く含有します。
しじみを一緒に取ることでエノキダケのエノキタケリノール酸の内臓脂肪燃焼効果を高めます。

骨の形成

エノキダケはビタミンDが豊富で可食部100gあたり0.9μg含有し、これは一日に推奨される摂取量の18%にあたります。
ビタミンDは骨を作る際に必要な栄養素で、皮膚が紫外線に当たることで体内でも生産が可能ですが、エノキダケにはカルシウムは多くありません。
一方、しじみはカルシウムが豊富な食材ですがビタミンDはありません。
一緒に摂取することで骨の形成が促進されます。

まとめ

しじみもエノキダケも一年中安定して安価に手に入る食材で、しかも両者ともオルニチンとビタミンB群を豊富に含有し、更にエノキダケには内臓脂肪を減少させる効果のあるエノキタケリノール酸も存在します。
しじみとエノキダケを一緒に摂取するとオルニチンの効果で肝機能が向上し、アルコールによる二日酔いや疲労が軽減します。
またお互いに足りないビタミンB群を補うことで三大栄養素の代謝がスムーズになり、各器官の健康を保ち、お互いの栄養素を補完することで造血作用や骨の形成も促進される非常に良い組み合わせなのです。
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