海老としじみで健康長寿(えびとしじみの相乗効果)

海老としじみの相乗効果

周囲を海に囲まれている日本にとって海老は古代から馴染みのある食材。
海老は食べると美味しいばかりでなく、煮ると赤白になりおめでたく、腰が曲がっているので長寿、卵をたくさん産むので子宝と、縁起の良い食材として引き出物にも用いられます。
しかし海老は美味しく縁起が良いばかりではありません。
実は海老は特有の栄養素が多く、これらは健康に有益で、さらにしじみを一緒に摂取するとその効果が高まります。
今回は海老としじみの相乗効果についてお話します。

海老の特色ある栄養素

海老は食べると美味しいのですが、世間ではコレステロールが高く、食べ過ぎると痛風やアレルギーを引き起こすといったネガティブなイメージも併せ持っています。
実際に他の食材に比べコレステロールが高く、ビタミンやミネラルではビタミンB3、ビタミンB12、ビタミンE、銅、セレンが相対的に多く、以外に一般的に知られている栄養素で目立った数値はありません。

しかし海老は適度に食べるなら体に有意義な特色ある栄養素を多く含有します。
海老の特色ある栄養素は以下の通りです。
タウリン
アルギニン
アスタキサンチン
キチン
これらの栄養素がもたらす健康効果と、しじみが持つ栄養素を組み合わせるとより高い次元で効果を発揮できます。

タウリン

タウリンは別名をアミノエチルスルホン酸と言い、含硫アミノ酸の一種です。
タウリンはイカやタコなど軟体動物や貝類に多いのですが、しじみは他の貝類に比べかなり少量です。
人間も体内で非必須アミノ酸のシステインを代謝することで合成が可能ですが、猫はタウリンを合成できないので食物から摂取する必要があります。

ほとんどの生物で重要な物質で、細胞の働きを可もなく不可もなく恒常的に保つホメオスタシスの作用を発揮します。
人間の場合、体重の0.1%のタウリンがあるといわれ、筋肉組織である心臓をはじめとした筋肉に多く全体の50~80%を占め、肝臓や脳、肺、骨髄などあらゆる臓器に存在します。
またタウリンは厚生労働省が定める「専ら医薬品として使用される成分本質」に区分されており、化学的に合成されたタウリンを食品添加物として使用することはできません。

タウリンの健康効果

タウリンは疲労回復効果があるので栄養ドリンクで含有量を謳ったものが多く存在します。
しかし体内では他にも様々な効果を発揮し、神経伝達物質として作用したり、人体に活性酸素や過酸化水素の発生を抑制したりする効果もあります。
一般にタウリンが人体にもたらす主な効果は以下の通りです。
胆汁酸の分泌の促進
肝細胞の再生促進
細胞膜の安定化
実はこれらの効果は全て肝臓が関わっています。
そしてしじみが含有する栄養素も肝臓と関わりが深いのです。

タウリンと肝臓

タウリンの重要な役割の一つが胆汁酸の分泌の促進ですが、胆汁酸は肝臓の肝細胞でコレステロールから生産します。
胆汁酸はグリシン、タウリンと結びつき胆汁として十二指腸から分泌され、脂肪の吸収に使用されます。
脂肪の吸収ができないと抗酸化物質で脂溶性ビタミンのビタミンAやビタミンEなどが吸収できなくなります。

また胆汁酸は褐色脂肪細胞を活性化して内臓脂肪を燃焼する効果も発揮します。
胆汁酸の分泌が減ると肥満体質となり、コレステロールが増大して様々な成人病を引き起こします。
また細胞膜を安定化させるにはコレステロールが必要不可欠です。
各細胞にそのコレステロールを運ぶ役割を担うのが肝臓で脂肪から合成されるLDLコレステロールです。
タウリンに細胞膜を安定化させる効果があっても、肝臓が正常に機能しなければ効果は半減します。

しじみと肝臓

しじみは肝機能を活性化するオルニチンを多く含有します。
肝臓は様々な役割があり、その活動の過程で人体に有害なアンモニアが大量に発生し、これが蓄積すると肝機能が低下します。
オルニチンは肝臓内にあるオルニチン回路に作用しアンモニアを無毒な尿素に代謝する役割があります。
しじみでオルニチンを摂取すると肝機能が高まり、タウリンの持つ健康効果を高めます。

アルギニン

アルギニンは人体を構成する非必須アミノ酸の一つです。
肝臓内で酵素のアルギナーゼによりオルニチンと尿素に分解され、アンモニアの代謝に使われます。

アルギニンと免疫系の活性化

アルギニンは免疫反応を活性化させ、外傷や感染症を患った際には細胞分裂を促進する効果があります。

しじみと免疫系の活性化

しじみには免疫系を活性化する必須ミネラルの亜鉛を多く含有します。
また亜鉛はアルギニンが促進する細胞分裂に必要不可欠な成分です。

アスタキサンチン

アスタキサンチンは海老の殻にある赤い色素で、ニンジンなどに代表されるβカロテンと同じカロテノイドの一種です。
非常に強い抗酸化作用があり、βカロテンの4.9倍、ビタミンEの1000倍、ビタミンCに至っては6000倍もの強さがあります。
また抗炎症作用があることでも知られています。
殻ごと食べられる桜エビや干し海老であればアスタキンチンを効果的に摂取できます。

アスタキサンチンと眼精疲労

アスタキサンチンは他の抗酸化物質と同様に疲労回復や過酸化脂質の抑制に役立ちますが、最も効果を発揮するのは眼精疲労です。
眼は他の器官に比べ栄養が届きにくく、末梢神経や毛細血管が張り巡らされてできているので一度炎症や疲労を起こすとなかなか回復しません。
また眼は常に紫外線にさらされているので活性酸素の危険が付きまといます。
アスタキサンチンはほんの僅かな量で強い抗酸化作用と抗炎症効果を発揮し、水晶体や毛様体筋、虹彩筋、網膜などの老化を防ぎます。

しじみと眼精疲労

眼精疲労は近距離の物体を長い時間見続けるとピントを調整する毛様体筋が凝り固まり、ピント調整機能が低下することで発生します。
ピントが合わないと視神経にストレスがかかり末梢神経にダメージが蓄積し、結果的に自律神経が乱れ肩こりや頭痛など他の器官へ影響を与えます。
しじみは目の粘膜を保護しドライアイを抑制するビタミンB2と、別名「神経のビタミン」と呼ばれ末梢神経の修復と自律神経を正常に保つビタミンB12を豊富に含有します。
海老はビタミンB2が少ないので、一緒に摂取すると眼精疲労により効果を発揮します

キチン

キチンはアスタキサンチンと同じく海老の殻にある多糖類で、動物性食物繊維です。
海老以外にも甲殻類の甲羅や、昆虫類の外骨格、軟体動物の表皮、きのこ類の細胞壁もキチンが主成分です。
ちなみにキチンにグルコサミンが結合していますが、キチン自体は水にも酸にも溶けないので食事で摂取してもグルコサミンはほとんど吸収されません。
一般的に販売されているグルコサミンは海老や蟹の甲羅のキチンを科学的処理して生成しています。

キチンと便秘改善

食物繊維なので便秘の解消につながり、また腸内で余分な脂肪や胆汁酸を絡め捕り便と一緒に排出するので肥満の抑制になります。

しじみと便秘改善

腸内には善玉菌、悪玉菌と呼ばれる腸内バクテリアが数多く存在しています。
腸内バクテリアは腸に食物が届くとこれを餌として分解しますが、たんぱく質を分解するとアンモニアが発生します。
腸内で発生したアンモニアは腸壁から吸収され肝臓で無毒な尿素に代謝されますが、肝機能が低下するとアンモニアの処理能力が追い付かず、アンモニアが腸内に残りそれを餌とする悪玉菌が増え、腸内環境が悪化し便秘になります。

しじみのオルニチンは肝機能を高める力があるので、腸内に発生したアンモニアを処理し、腸内環境が正常に保たれ便秘が解消します。
海老のキチンとしじみのオルニチンの相乗効果で便秘が改善します。

まとめ

海老はタウリン、アルギニン、アスタキサンチン、キチンといった他の食材では余り多くない栄養素を含有しています。
タウリンは肝機能と密接な関係があり、アルギニンは免疫系の向上、アスタキサンチンは眼精疲労、キチンは便秘改善とそれぞれ効果を発揮します。
しじみもオルニチンが肝機能を便秘改善、亜鉛が免疫系向上、ビタミンB2、B12が眼精疲労に効果を発揮するので、海老と一緒に摂取することで相乗効果が発揮されます。
海老で鯛を釣るという言葉がありますが、海老としじみで健康長寿という大きな成果を適えてください。
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