しじみにタウリンはあるの?(しじみに含まれるタウリン)

しじみのタウリンは多いのか?

栄養ドリンクで疲労回復の有効成分として含有量がしばしば表示されるタウリン。
タウリンを多く含有する食品としてイカやタコ、或いは貝の牡蠣などが挙げられますが、同じ貝類のしじみもタウリンを多く含有するのでしょうか?
しじみは疲労回復効果のあるオルニチンを多く含有するので相乗効果が狙えそうです。
今回はしじみに含まれるタウリンについてお話します。

タウリンとは

タウリンは別名アミノエチルスルホン酸といい、成分に硫黄を含んだ含硫アミノ酸です。
常温では無色透明な柱状結晶で存在し、水溶性で300度に加熱すると分解されます。
タウリンはアミノ酸といってもたんぱく質にはなりません。
イカやタコなど軟体動物の細胞内に遊離アミノ酸の形で多く存在しますが、実はほとんどの生物に必要不可欠なアミノ酸です。
タウリンは1827年に牛の胆汁の中から発見され、雄牛を意味する「Taurus(タウルス)」がその名前の由来です。
実はタウリンが科学的に発見される前に既に薬として用いられており、中国の漢方薬の書『本草綱目』で中枢神経を整え解熱と解毒に効果があるとして紹介される牛の胆石の「牛黄(ごおう)」の中にタウリンが含有されていることが分かっています。

人とタウリン

人間の場合は細胞内で遊離アミノ酸としてグルタミンと並んで多く、体重の0.1%のタウリンが存在し、特に肝臓、心臓、脳、筋肉、目の網膜に高濃度で存在します。
人の場合、タウリンを体内で合成できるので必須アミノ酸ではありません。
肝臓で必須アミノ酸の中の含硫アミノ酸のメチオニンを代謝して生産します。
そのため必須アミノ酸のように明確な摂取基準はありませんが、一般的に1日に500mg程度摂取するのが良いとされ、普段の食事では1日あたり100~300mg程度のタウリンを摂取していると考えられています。
一方で1日に200gのタウリンが尿や便として排泄されます。

タウリンの役割

タウリンは体の各器官の細胞内に存在し、その細胞の機能が過不足なく作用する恒常性維持の役割を担います。
特に肝臓での働きが顕著で胆汁酸と結びついて胆汁の分泌を促進し、肝細胞の再生を早め、肝細胞の安定化をもたらします。
また神経伝達物質として交感神経を制御し、血管を収縮させるノルアドレナリンの分泌を抑えたり、血糖値を下げるインスリンの分泌を促したりします。
更に抗酸化物質として白血球が侵入してきたウイルスを殺菌するために用いた余分な活性酸素や過酸化水素を除去する作用もあります。

タウリンとアルコール

タウリンはアルコールの分解を早め、肝臓の負担を和らげる効果があります。
タウリンをアルコールと一緒に摂取すると肝臓内でアルコールを分解するアルコール脱水素酵素と、それによって生じるアセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素の分泌量を増やす効果があります。
またアルコール摂取で肝臓がフル回転するため多くの活性酸素が発生し、タウリンはその活性酸素を抑え肝機能が劣化することを防ぐ役割を果たします。

しじみのタウリン含有量

ネット上ではしじみはタウリンを多く含有すると説明されています。
ではいったいどれくらいの量を含有するのか、多いとされる牡蠣としじみに姿かたちが近いあさりとを比べてみましょう。
下記の表は可食部100gあたりのタウリンの含有量です。
貝類 タウリン
牡蠣 1178.1mg
アサリ 421mg
しじみ 32.4mg
しじみのタウリンの含有量は貝類でも特にタウリンが多いとされる牡蠣の36分の1、あさりでさえ13分の1程度しかありません。
しじみはタウリンを含有していますが、他の貝類に比べると非常に少ないのです。

しじみとタウリンの関係

しじみのタウリンの含有量は僅かですが、タウリンは体内でメチオニンを代謝することで生産が可能で、しじみはメチオニンを可食部100gあたり150mg含有します。
またタウリンは主に肝臓での役割が多く、しじみは肝臓の機能を向上させるオルニチンを多く含有し、特に飲酒ではタウリンとオルニチンの相乗効果でアルコールの分解を早めます。
更にタウリンは水溶性なので、しじみをみそ汁にして食することでしじみのタウリンを余すことなく摂取できます。

まとめ

タウリンはイカやタコ、貝類に多く含まれる含硫遊離アミノ酸で、細胞の恒常性維持に必要な成分です。
特に肝臓での働きが顕著で胆汁の分泌促進や肝細胞を守る効果を発揮します。
しじみは他の貝類に比べタウリンの含有量が少ないのですが、タウリンと同様に肝機能を向上させるオルニチンを多く含有するので、他の食材に比べタウリンとの相乗効果が得られやすい食材です。
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