しじみとチーズで疲労回復(しじみとチーズの相性)

しじみとチーズで疲労回復

しじみは疲労回復に効果のある食品として知られていますが、チーズも疲労回復に効果のある食品であることを知っていますか?
同じ疲労回復に効果があるのなら、一緒に摂取すると疲労回復効果が高まるのでしょうか?
今回は、しじみとチーズの相乗効果についてお話します。

チーズとは

チーズは牛や羊、ヤギなどの乳に乳酸菌や柑橘類を加えて酸性にすることで、乳の中に含有される固形成分と液体成分を分離し、固形成分から水分を抜いて生産される乳製品です。
チーズ100gを作るのに牛乳が1?必要で、いわば牛乳の栄養素の塊と言っても過言ではありません。
しかも牛乳に含まれる乳糖が発酵で分解されているので、体内で乳糖を分解できない乳糖不耐症の人がチーズを食べても下痢を起こしません。
チーズには固形成分をそのまま、あるいは発酵して熟成させるナチュラルチーズと、ナチュラルチーズを加熱殺菌して熟成を止め、品質の均一化と長期保存を目的としたプロセスチーズがあります。

チーズは世界で1000種類もあると言われ、その栄養素の構成は種類によりまちまちです。
ここでは品質が均一で、日本人も食材として摂取する機会の多いプロセスチーズを例に説明をします。

チーズの栄養素

チーズ100gの総カロリーは399kalで、たんぱく質が22.7g、脂質が26g、水分が45gなのでたんぱく質と脂質が非常に多い食品です。
チーズのたんぱく質は非常に良質で、体重50kgの人であればチーズ100gで一日に必要な必須アミノ酸をほとんどまかなえます。
ビタミン類はビタミンAとビタミンB群、ビタミンEが豊富です。
必須ミネラルはカルシウムとリンが豊富で、他にナトリウムと亜鉛を多く含有します。

しじみとチーズの相性

しじみとチーズを一緒に摂取すると、以下の効果が高まります。
(1)疲労回復
(2)骨の形成
(3)美肌効果
(4)眼病予防

疲労回復

チーズは高たんぱくですが、高脂質の食品でもあります。
実はたんぱく質も脂質もエネルギーに代謝することができるため、疲労回復に効果を発揮します。
その脂質をエネルギーに代謝する際に補酵素として作用するのがビタミンB2です。
しじみは脂肪が少なく、しかもビタミンB2を多く含有しているので、チーズの脂質のエネルギー代謝を高め、疲労回復を早めます。

また、疲労が蓄積すると体内のたんぱく質が分解されエネルギーに代謝され、人体に有害なアンモニが大量に発生します。
アンモニアは肝臓で無毒な尿素に代謝されますが、加齢などで肝臓の機能が低下するとアンモニアの分解が追いつかないため、いつまでも疲労が蓄積してしまいます。
実は、しじみもチーズも肝臓でアンモニアの分解を助けるオルニチンを多く含んでいる食品で、可食部100gあたりしじみは77~115mg、チーズは8mg含有しています。
オルニチンを含有する食品は種類が少ないので、しじみとチーズは疲労回復にとても相性が良いのです。

骨の形成

骨の形成には主成分であるカルシウムの他に、リン、マグネシウム、たんぱく質、そしてビタミンDが必要です。
骨は70%がカルシウム、20%が骨に柔軟性を与えるたんぱく質のコラーゲンで出来ており、これに骨に強度を与えるマグネシウムとリンが結合しています。
そのため、人の骨のカルシウムとは正確にはリン酸カルシウムが主成分です。

カルシウムの吸収

カルシウムは自然界では単体の元素として存在することは稀で、他の元素と結合して存在しています。
食品の場合、カルシウムが多いとされる牛乳はリン酸カルシウム、ほうれん草はシュウ酸カルシウム、そしてしじみは炭酸カルシウムが主成分です。
カルシウムは非常に吸収が悪いミネラルで、食物から摂取した場合、胃酸で溶かし結合している元素を切り離し、イオン化して小腸で吸収します。

しかし、一緒にリンを摂取していると小腸にたどり着く前にこのリンと結合しリン酸カルシウムになってしまいます。
リン酸カルシウムは腸壁の穴を通り抜けることがでず、吸収されないまま便と共に排出されます。
カルシウムを効率よく摂取するには、リンとの結合を未然に防ぐ必要があります。

チーズのカルシウム

チーズはカルシウムも豊富ですが、リンも豊富なので普通に考えれば非常に吸収が悪い組み合わせです。
チーズが含有するリンは、カゼインと呼ばれるリン酸たんぱく質で構成されています。
カルシウムをカゼインと一緒に摂取すると、胃で消化されたカゼインがカゼインホスホペプチドとしてリンと遊離し、小腸にたどり着く前に再びリンとガゼインホスホペプチドが先に結合するので、カルシウムがイオン化されたまま小腸にたどり着く確率が高くなり、結果カルシウムの吸収率が高まります。

カルシウムとリンは1:1で摂取するのが理想とされていますが、チーズはカルシウムよりリンの割合が多めです。
しじみは吸収率の良い炭酸カルシウムでできており、しかもリンは少なめです。
チーズとしじみを一緒に摂取すると理想的な割合に近づき、カルシウムの吸収が更に高まります。

骨の成長と成長ホルモン

骨の栄養素が揃ったとしても、それだけでは骨は形成されません。
骨の形成には成長ホルモンの分泌が必要不可欠です。
しじみが多く含有するオルニチンは成長ホルモンの誘導体としても作用し、加齢などで分泌量が減少する成長ホルモンの量を増やす効果があります。
しじみもチーズもオルニチンを含有しているので、一緒に摂取すると、単体で摂取するよりも骨の成長が促進されます。

美肌効果

各組織を構成するたんぱく質は、必要なアミノ酸が一つでも欠けると合成されることはなく、しかも皮膚の新陳代謝は他の組織に比べ早いので、それだけ多くの必須アミノ酸が必要です。
チーズは高たんぱく質の食品で、わずかな量で皮膚の合成に必要な必須アミノ酸を満遍なく揃えることができます。
しかもチーズは皮膚のたんぱく質の合成に補酵素として働くビタミンB2,ビタミンB12、葉酸、そして細胞分裂に必要な必須ミネラルの亜鉛を多く含有しています。
また、チーズが多く含有するビタミンAのレチノールは、皮膚に弾力を与えるたんぱく質のコラーゲンと、コラーゲンを支える繊維のエラスチンの合成を促進する効果があります。

しじみのたんぱく質も良質なたんぱく質で、チーズと同じようにビタミンB2、ビタミンB12、葉酸、亜鉛以外に、皮膚のケラチンを作る際に必要な必須アミノ酸メチオニンを代謝する際に必要なビタミンB6も多く含有しています。
また、しじみもチーズも、皮膚に栄養を届ける毛細血管の血流を良くするビタミンEを多く含有しているので、一緒に摂取すると相乗効果で美肌効果が高まります。

眼病予防

チーズが多く含有するビタミンAのレチノールは、網膜で光を感知する色素のロドプシンの主成分です。
ロドプシンの合成はチーズとしじみに多い亜鉛が必要不可欠で、レチノールと亜鉛が不足すると夜に視界が悪くなる夜盲症になります。
また、チーズとしじみに多いビタミンB2は目の粘膜の正常化、ビタミンB12は視神経を正常に保つために必要な栄養素で、どちらも目薬に配合される成分なので眼精疲労を軽減します。

チーズと脂質

チーズは高たんぱくな食品であるとともに、高脂質の食品でもあります。
チーズの脂質は飽和脂肪酸なので、多く摂取すると動脈硬化のリスクが心配です。
日本人のチーズの消費量はファストフードや食の欧米化に伴い年々増加していますが、それでも一日の平均摂取量は2016年では6.5gに過ぎません。
これは欧米に比べて1/10程度、乳製品全体で見ても1/14程度です。
そのため、疲労回復やカルシウム摂取、美肌の補助食品として毎日スライスチーズ1枚程度摂取するのであれば、動脈硬化などの生活習慣病の心配はなく、むしろ健康に良い食品となります。

まとめ

しじみとチーズは一見相性が悪そうですが、肝機能を高めるオルニチンを含有しているばかりか、ともにビタミンB群とカルシウム、亜鉛も多く含有するため、疲労回復をはじめ、骨の形成や美肌効果、眼病予防に効果を発揮します。
しじみもチーズも単独でたくさん食べる食材ではありませんが、毎日少しずつ摂取することで、健康で疲れ知らずの体を作ることができます。
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